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「空港あれこれ」

2019年12月10日

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 ニュースレター No.115 (下平様/SCD2国内分科会委員)   (テーマ:「空港あれこれ」)
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NECの下平でございます。昨年の秋に初投稿をさせていただき、今回が2回目の投稿となります。前回も記したのですが、海外経験がないとは言えないものの、豊富とも言えないこの私、何を書こうかとまた迷いましたが、今回は、私が利用したことのある海外の空港について取り留めもなく雑記してみたいと思います。稚拙な文書となりますことご容赦下さい。
 さて、そもそも私は旅行が好きなのですが、現地に行くまでの航空機、鉄道などの乗り物に乗ること自体も観光地を回ることと同じぐらい好きで、その起終点となる空港や駅にも興味があります。駅については機能が優先で、東京や大阪などの巨大ターミナル駅でも土産物店が多い程度で、鉄オタ的な興味がる方は別として、見て回るところはあまりないのではないと思います。一方、空港は土産物店やレストランはもちろん、映画館、美術館、庭園、プールまである空港もあり、乗り継ぎで数時間滞在したとしても飽きない工夫がされているところが多くあります。日本でも温泉のある空港や、お土産のお菓子の製造工程などがみられる空港がありますよね。大きい空港を使う際は、時間が許せば国内でも搭乗時刻の2時間ぐらい前に着いて、ぶらぶらとするのがちょっとした息抜きになったりもしています。ただし、本稿はお勧め施設のご紹介ではなく、個人的なエピソードや感想などを書いたものなので、施設等についてご興味のある方はご自分でお調べいただければと思います。(すみません) 
 
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港(フィンランド)
 今年のヘルシンキ大会で利用しました。乗降客数は1,800万人強(2017年)なので、世界的にみると大きな空港とは言えませんが(参考:1位 アトランタ:17,400万人、5位 羽田:8,690万人、何れも2018年)、10年前は1,200万人台だったようなので利用者数の伸び率が高い空港です。それもそのはず、スカンジナビア半島は、一般的に馴染みのある地図(日本で発行されるメルカトル図法)では、左上の方にあるので欧州の中でも遠いイメージですが、実際は日本を含む東、東南アジアの国々から一番近く、特にフィンランドは一番東寄りにあるので最も近くなります。中国をはじめとした東、東南アジアからヨーロッパへの旅行者が増えるとこの空港の乗降客数も増えるわけです。この地の利を活かしてフィンランド航空(通称フィンエアー)は、東・東南アジアへの直行便を積極的に展開していて、日本にも成田・中部・関西の他、期間限定や毎日運航ではないものの福岡や札幌にも直行便があります。欧米の航空会社でこれほど日本との直行便があるのはフィンエアーだけです。東アジアからの乗客をがっちりつかんで、ここで乗り換えさせてヨーロッパ各地に送り出そうという戦略ですね。
 そのためだかと思いますが、6月に私たちが訪れた時は、ターミナルは大改修中で、到着後の一部の通路は、人が一列になって歩くしかないほど狭い部分もあり、また運悪く(というかそういうタイムテーブルになっているそうですが)、中国から来た便と到着が重なってしまい、入国審査のカウンターが少ないこともあって大混雑。そんな中、私が並んだ1列だけが何故かなかなか進みません。同便で一緒に着いたCIGREツアーメンバーの方の中には、別の列に並び直した方もいらっしゃったのですが、私は、おそらくビザが必要な中国の観光客で時間がかかっているのだろうから、急がば回れとじっと我慢して、並び直した方にも抜かれつつやっと自分の番になりました。これでやっと通過できると思ったら甘かった。入国理由は会議の参加だと言ったら「確証を出せ」と言われ、そんなこともあろうかと持ち込み手荷物に入れておいた大会のプログラムのコピーを見せると、こんどは1行1行指でなぞりながら(誇張でなく本当です!)チェックを始めました。「論文の題目を見てあなたに何がわかるの?」と心の中で思いつつ、しばらく待っていると納得したのかプログラムは返しながら、今度は「ヘルシンキの後はどこに行くのか?」、「出国はどこからするのか?」 と聞かれ、「あなた一人がいくら厳しく審査をしても、シェンゲン協定の各国で審査が緩ければ(実際、昨年のパリはパスポートをちょっと見ただけで通してくれた)、悪意のある人でも貴国に入国されるよ」と、またまた心の中で思いつつも、笑顔(だったと思います)で答えるとやっと通してくれました。既にターンテーブルの荷物はすべて降ろされ、私の荷物は同行のみなさんが確保、預かって下さっていました。あの時、お世話になった方、どうもありがとうございました。
 一方、帰国の際の出国で利用したターミナルは、既に完成していて(多分)広く、明るくこれから利用者がもっと増えることを見越して、余裕をもって作ってあるという印象でした。セキュリティエリア内にムーミンショップがあるのが、フィンランドを象徴しています。すべて完成したら世界でも有数な空港になるのでしょう。その時はまた立ち寄ってみたいですね。あの、超真面目な入国管理官がいないことを祈りつつ。

シカゴ・オヘア国際空港(アメリカ)
5大胡の1つミシガン湖の南にあるイリノイ州の最大都市シカゴの玄関となる空港です。2018年度の空港利用客数ランキング6位(8,320万人)で、5位の羽田の次になりますが、滑走路の数が民間空港としては最大となる8本もあり、とても大きな空港です。ターミナルも4つもあり、ターミナル間はATSと呼ばれる無人の小型電車(日本の新交通システムのようなもの)で移動します。
 私がシカゴを訪れたのは十数年前になりますが、シカゴでの滞在後に国内移動する際にやらかしてしまいました。ホテルでオヘア空港は非常に混雑をしているので、早く行った方が良いと言われ、日本の国内線のイメージしかない私たち(3人で行動)は、そんなものかと思いつつ言われた通り、空港に出発時刻の2時間前に着くスケジュールでタクシーに乗りました。タクシーの運転手が「搭乗する航空会社は?」と聞くので、ユナイテッドと答えるとじゃあターミナル3だというのですが、チケットにはターミナル2と書いてあります。そこで、チケットを見せてターミナル2と書いてあると言うと、運転手は首を傾げながらターミナル2に着けてくれました。この時点で出発時刻の約2時間前、予定通りです。意気揚々とターミナルに入っていくと、あれっ? 言われたほど人がおらず混雑していません。さらに驚いたことに肝心のユナイテッドのカウンターがありません。少々途方にくれたあげく空港案内図をみつけて見てみると、ユナイテッドのカウンターはタクシーの運転手の言う通りターミナル3ではないですか。何が起きたのかわからないまま、慌ててATSに乗ってターミナル3に向かい、無事にカウンターも見つけたのですが噂通りの大混雑。チェックインの列は遅々として進まず、自分の番が来る前にゲートクローズの時間になってしまいました。他の2名は違う列に並んでいてなんとかギリギリでチェックインができたので、携帯に電話をして先に行ってもらうことにしました。そこからがまた大変で、チェックインカウンターで次便の予約をしようとしたところ、ここではできないからあれを使ってと指をさされたものが公衆電話のような機械。それでコールセンターと話せということなのです。そんなシステムは始めて聞いたので恐る恐る受話器を取ると、元気の良さそうなお兄さん(?)の声が聞こえてきて、「日本から来たのに大変でしたね」みたいなことを言われつつ、無事次便のチケットを取ることができ1時間遅れで2人と合流できました。今、冷静に考えると、乗り遅れるから優先してくれと言えば良かったのかも知れませんが、大混雑で係員も非常に少なかった記憶があるので、同じ結果だったという気もします。
 後から調べてみると、ターミナル2と3はセキュリティエリア内で繋がっていて、目的の便の搭乗ゲートは確かにターミナル2にあったのですが、チェックインカウンターはターミナル3にあるという、不慣れな旅行者には極めて不親切な設計になっていました。さらに預入手荷物がない旅客は、ターミナル2で自動チェックンをすれば、そこから最短距離で搭乗ゲートに行けることもわかりました。これ以降、海外の空港に行く際は、十分下調べをしてから行くように心がけています。
 あれから10年以上経っているので、改善されたかと思いきや、これを執筆するにあたりネットをみて見ると、混雑による乗り継ぎ失敗の話が幾つか出ていたので、まだ解消はしていないようです。みなさんオヘア空港をご利用の際は、乗り継ぎも含め是非十分な余裕を持った旅程をお勧めします。

シアトル・タコマ空港(アメリカ)
 乗降客数は、約4,700万人(2017年)で、全米で9位の利用客数です。ちなみに日本の空港の利用客数9位は鹿児島空港で約600万人ですから、まさに桁違いで人口が日本の約3倍であることを考慮しても、いかにアメリカは国土が広く、頻繁に航空機が使われているかということを物語る数字ですね。ここはちょうど1年前の12月に利用しました。クリスマスシーズンということもあるのか、混雑している印象でしたが、先の2つの空港でのような苦い思いをすることなく入国・到着も出国・出発もスムーズでした。ターミナルは巨大なものが一つなのですが、サテライト(本ターミナルのセキュリティエリア内と行き来できる補助ターミナル)が南北に2つあり、それぞれ本ターミナルとトンネルを走る無人のシャトルトレイン(オヘアのATSより小ぶり)で繋がっています。基本的に日本からの便は全てサウスサテライトに着くようなので(ご利用の際は各自最新情報をお調べ下さい)、とにかくシャトルトレインに乗れば本ターミナルに到着するのですが(但し環状線になっていて降り忘れると元に戻ってしまいます)、出発の際はノースサテライトの周りのシャトルトレインとサウスサテライト周りのシャトルトレインは、繋がっていないので、間違えると目的の搭乗ゲートに行けないので要注意です。
シアトル市内に向かうにはバスもあるようですが、ライトレールという電車がお勧めです。ターミナルから少し離れたところにあるので、大きな荷物があると少し大変ですが、乗ってしまうと中心部まで運んでくれて、市内は路面電車の停留所のような駅がほとんどなので、階段の上り下りは一部の駅を除きないのではないかと思います。シアトルの駅自体は高架線の上にあり(エスカレータがあるので大きな荷物があっても大丈夫)、日本の東京や大阪の郊外にあるような駅に似ている印象でした。
 お帰りにお土産を買うときは、さっさとセキュリティーゲートを通過して下さい。外に土産物屋はほとんどありません。昨年の訪問では、滞在中にお土産を買う時間が無かったので、早めに空港に着いて買えば良いと思っていたのですが、外に店がなく少々焦りました。覚悟を決めて(?)中に入ると、それなりにショップが並んでいて一安心。シアトルだけに、某コーヒーチェーン店が大きく看板を出していたのが印象的でした。各航空会社のカウンターやチェックイン機が並ぶだけで面白味のないセキュリティーゲート外ですが、一つだけシアトルらしいと思ったのは、昔の古い飛行機が数機展示してあることです。シアトルはボーイングの本社がありますからね。

 本当に取り留めもなく長々とした文章になってしまいました。これで筆を置きたいと思います。平成から令和に元号が変り、新し時代を迎えた今年も、もう残り20日ほどになりました。皆さまどうぞご自愛なさって、良い年をお迎えください。

(文責:下平/日本電気株式会社)